扇子は主に、広げると扇型になる扇面とそれを支える扇骨、扇骨を束ねるリベットの役目をする要(かなめ)の3つからなっています。
扇面
扇面は紙でできているものと、布でできているものがあり、紙でできているものを「紙扇」、布でできているものを「絹扇」といいます。扇面はただ単に風をおこすという役割だけではなくデザイン的な一面も持っています。手書きのものや印刷のもの、表と裏の使い方や空間のとり方を工夫したもの、華やかなものから粋なものまで、実に様々な絵柄が描かれいろいろなかたちで私たちの目を楽しませてくれます。
扇骨
扇骨は、広げた時に両端にくる少し太めの「親骨」とその間にある細めの「中骨」に分けられます。プラスチックなどでできたものもありますが、やはり竹製のものが手に持った時の風合いも良く、心なしか送られてくる風も心地よいものであります。ちなみに日本産の竹製扇骨は滋賀県の高島市が国産シェアの約9割を占めています。また、扇骨の数と親骨の長さによって「6寸5分15間」とか「7寸5分30間」といった呼び方があります。例えば「6寸5分15間」ですと、親骨の長さが6寸5分(20cm弱)で中骨の数が13本(親骨と合わせて15本)となります。
要
要は親骨と中骨を束ねている留め具です。かつて、その様が蟹の目のようなので「カニノメ」と呼ばれ、金具という解釈から「カナメ」に変わったとされています。昔はクジラのヒゲで作られていましたが、現在は合成樹脂や金属などで製造されています。